[監修:鬼塚リュウジン/音楽・音響効果:荒井佑/2016年6月3日リリース]
- 「親孝行」☆
- 「練炭自殺 再取材編」
- 「夜の地下道」☆
- 「元カノに憑いた霊」☆
- 「続・ひとりかくれんぼ」☆
シリーズを重ねクォリティーは安定してきているとは思うが、どうしようもない駄作がない代わりに、ひとに積極的に勧めたくなるような傑作もない感じだ。予告編がおもしろそうだったので、いたずらに期待をしてしまったせいもあるかもしれない。
「親孝行」は、お約束というべきか、本題の心霊現象が雑。ただ、制作者はおそらくそこに重きを置いていない。超高齢化社会の闇の部分を照らすというか、身につまされるというか、そんな社会派のメッセージすら読み取れてしまう。怖いというより哀しい一編だ。
「夜の地下道」は、怪奇現象そのものよりもそれが起こる空間が興味深い。実際こんな場所があるのだろうか。セットとも思えないから、実在するのだろう。もっと空間の特徴を活かした何かがあればもっとよかったのだが……「何か」って? と問われると困るけども。
「元カノに憑いた霊」も、心霊の現れ方がおざなり。やはりそこで勝負することを放棄している。そのぶん、お話はまあまあ楽しめる。煮え切らないまま終わるのは、続編を作る気マンマンといったところか。
「続・ひとりかくれんぼ」は、『24』のなかでは正統派の趣でいちおう怖がらせてはくれる。ただ、もうちょっとプラスアルファがほしいと思うのは贅沢だろうか?
「う~む……」と頭を抱えてしまうのが「練炭自殺 再取材編」。さすがに「練炭自殺」シリーズはネタ切れの観がある。「だから何?」という疑問符が付いてしまうのだ。
ところで、投稿心霊映像系の作品には「撮影しているシチュエーションが不自然」という特徴がある。その点、『封印映像』シリーズは、胡散臭さを拭うために工夫を凝らしている場合が多いので評価できる。
しかし、「親孝行」「夜の地下道」は、観ている途中で「そんなところ撮るかなあ?」と我に返ってしまった。他にも撮影している必然性が感じられない作品はあり、その場合もあまり気にならないのだが、なぜかこの2作は途中で少し興醒めしてしまった。
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