[監修:鬼塚リュウジン/音楽・音響効果:荒井佑/2021年7月2日リリース]
- 「デリバリー」★★★
- 「草むしり」★★
- 「限界」★★
- 「オトドケモノ」★★★★
このパート『54』も恐怖路線は継続し、観る者を怖がらせてくれる。怪異の種類や異形の造形、出現方法などがバラエティに富んでいて、安心して楽しめる一本といえるだろう。
「デリバリー」(★★★)は、飲食店の配達員がいわつくつきのマンションを訪れた際に撮影された映像。「この世ならざるモノが現われた」だけなら驚きは少ないが、撮影者に直に働きかけてくるのが恐ろしい。
「草むしり」(★★)は、古民家に引っ越してきた夫婦が庭の掃除をしたあと、異変に巻きこまれる。『53』でもふれた「モノノケ図鑑」のエピソード。あまり恐怖度は高くないものの、「なるほど」と納得感を持って楽しめる。
「限界」(★★)は、会社の監視カメラに、日を追うごとに様子がおかしくなっていく社員の姿が記録される。“現代社会の闇”といった趣のエピソード。展開がやや予定調和で、もう少し意表の突いた出来事が起こってもよかったかもしれない。
「オトドケモノ」(★★★★)は、友人宅で留守番をしていると、不気味な荷物が届けられる。異形の造形や出現の仕方、振る舞いが、あきらかに日本でもっとも有名なあの“幽霊”を意識している。それだけなら、たちの悪いパロディに堕してしまうが、最後に一工夫をしているのは、『封印映像』の面目躍如といったところか。
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