[演出:菊池宣秀/構成:菊池宣秀・安達光雄・岩本慎一・今野恭成/ナレーション:中村義洋/2016年6月3日発売]
- 「ロッククライミング」★★
- 「奇怪な過去」★★★
- 「合唱」★★
- 「シリーズ監視カメラ 扉」★★
- 「人形焼」★★
- 「テーブルゲーム」★
- 「禁忌 前編」★★
次巻へと続く長編「禁忌」(★★)は、厄介な出来事を連想させる滑り出しとなっている。ただ、過去作(パート47〜「死返(まかるがえし)」)にも雰囲気が似ている。映像も途中まで良い展開なのだが、肝心の登場する異形がけっこう粗っぽいのが残念。
「ロッククライミング」(★★)は、ロッククライミングの練習風景を撮っていると、異様な事態がおこる。まったくおなじタイトルの作品が過去にもあり(パート25「ロッククライミング」)、セルフ・オマージュのような趣だが、それとは異なる展開で意表を突かれる。
「奇怪な過去」(★★★)は、パート52「奇怪な未来」の後日談。取材部分がかなり長時間にわたるが、腑に落ちないまま終わる。ただ、それはそれでリアルなのかもしれない。ここで紹介される映像はかなり不気味で、〈子ども〉は人形にしか見えないが、かえって不気味さを醸し出している。映像がなにを意味しているのかがわからないだけに、より恐怖感が高められる。
「合唱」(★★)は、音楽教室の発表会を撮影した映像に〈霊〉とおぼしき存在が映りこむ。オーソドックスな心霊現象という趣だが、意外にも〈出現域制御〉の問題がなく、質が高い。
「シリーズ監視カメラ 扉」(★★)は、町工場の出入り口で起こった怪異をとらえる。新しいタイプの現象といえるが、異形の出現のしかたが微妙に〈光〉と連動しておらず、作りの粗さが見えてしまうのが残念。やや理屈めいているのもマイナスだ。
「人形焼」(★★)は、深夜の浜辺でたき火をしていると、奇妙な現象が起こる。映像はたいしたことないが、エピソードには物哀しさが漂う(というより、ひどい話である)。
「テーブルゲーム」(★)は、雀荘で麻雀に興じていると、不可解な存在が映りこむ。〈霊〉は予想どおりの場所に出現。造形はなかなか不気味なのだが、動きが人工的すぎるのが難点だ。
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