[監修:鬼塚リュウジン/音楽・音響効果:荒井佑/2017年7月5日リリース]
- 「さっちゃん」◆◆◆
- 「ダム湖」◆◆◆
- 「離苦悲唄」◆◆◆
- 「シャドーピープル 包帯少女」◆◆
本作は、全体的に『封印映像』シリーズらしい、ほどよいハメのはずしかたをしていて、満足度が高い仕上がり。
「さっちゃん」は、古い日本家屋を探索する話(実家なので「探索」は大げさか)。幽霊とか異形のモノが出てくるんだろう——と簡単に想像できる。そこにどんなモノを出すのかがスタッフの腕の見せどころ。
「画面の端に人影らしきものが映りました」などといった生半可な“心霊現象”でお茶を濁すはずもなく、観る者の期待に応えてくれた一本といえる。
「ダム湖」も、じつは異形の造形が見どころ。ただ、スタッフが取材をして怪異の背景があきらかになるが、ここは謎のままにしたほうがよかったかもしれない。
「離苦悲唄」は、いわくありげな唄がモチーフで、これには異形は登場しない。いわば先の2本とは味付けの異なる料理を味わう感覚で楽しめる。シリーズ初期の怖い路線が少し復活したようで、少し嬉しい。
前にも述べたように、『封印映像』は表題作が振るわないという法則があり、「シャドーピープル 包帯少女」はほかの3作にくらべるとややクォリティが落ちる気がする。心霊現象がしょぼいのは、霊能力者ジョンの活躍(?)を引き立てるためだとわかるが……もう少し工夫の余地があったようにも思う。
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