[プロデューサー:小田泰之/編集・構成・演出:Team XXX/音楽・音響効果:ボン/編集・MAスタジオ:スタジオミック/製作:アムモ98/2019年4月5日リリース]
本シリーズはご存じのとおり、関連する投稿映像がひとつのパートにまとめられている。「関連する」とは、「因果関係がある」と解釈できるのだが、本パートにかぎっていえば、必ずしもそうとはいえない。あくまで現象の外見が似ているだけであり、「因果関係がある」とミスリードしているとも考えられる。本パートを鑑賞する際にはその点に注意したい。
肉料理
『15』は、とある猟奇的な風習がテーマになっているとおぼしい。本作の投稿映像はその一端を示すものといえる。別の投稿映像においても、おなじような“風習”が取りあつかわれているが、両者の間に因果関係は存在しないようだ。だからといって安心できるわけではなく、現象の原因がわからないだけに、かえって不気味さが増していく。
ドイツ旅行
本作に記録されているのは、よくある現象のように思える。一方で、オーソドックスだからこそ怪異の盤石さを感じさせ、そのぶん恐怖も大きいといえる。
出掛ける夫
本作に登場する異形の見た目は、別の投稿映像に現われたモノに似ているが、両者に因果関係はなさそうだ。また本作は、ある“迷信”や“都市伝説”がモチーフになっている。その迷信に関連する映像が別の投稿者によって撮影されているのだが、やはり両者に因果関係は見出せないだろう。
路殺
「路殺」と呼ばれる“迷信”が本作のモチーフ。これが先の「出掛ける夫」と共通しているため、この『15』に収録されているとおぼしい。少なくとも2つの現象が「路殺」に起因するものならば、じつは「路殺」の現象は実在し“迷信”ではないことになる。どこにでも見られる光景だけに、日常に怪異が侵入してくるような不気味さをおぼえる。
ダム
一般的に、超常的な現象が映像に撮られるのは希有なことであるはずなのに、本作では短時間にさまざまな怪異が矢継ぎ早に発生している。「そこが名うての心霊スポットだから」と説明はつけられるものの、ひとつひとつの現象の因果は不明であり、怪現象の背後に広がる〈闇〉に恐ろしさを感じてしまう。
神隠しの村
本作で件の「猟奇的な風習」があつかわれるが、「肉料理」の映像とは無関係だと考えられる。つまり、両者の現象に因果関係はないのにもかかわらず、おなじような「風習」がこの世のあちこちで起こっていることになる。むしろ因果関係が存在してくれたほうが、観る者にとって少しは慰めになったであろう。
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