[演出:松江哲明/構成:松江哲明/ナレーション:中村義洋/2001年9月21日発売]
- 「ダビングテープ」★
- 「地下鉄」★
- 「テレビ」★
- 「遊園地」★
- 「運動会」★
- 「ラブホテル」★
- 「動物園」★
- 「団地」★
- 「鏡」★★
- 「河原」★
- 「映画館」★
- 「続・テレビ」★★
このパートから、演出家が中村義洋・鈴木謙一コンビから、松江哲明氏に交代する。松江氏だけの責任ではないかとは思うが、ここからしばらく低レベルの作品が大量生産される。当ブログが本シリーズの視聴をやめるきっかけをつくってしまった。
「ダビングテープ」(★)は、交通事故を起こした車に残っていたビデオ。面白い発想ではあるが、パート7の「死者から返却されたビデオ」とネタが被っている。
「地下鉄」(★)は、デート中のカップルが地下鉄のホームで撮影したもの。もし〈霊〉がこの世に存在し映像に映るとすれば、こんな感じになるのではないか。本作はそんな絵に描いたような心霊映像。ただ、電車が通過したあとに姿が消えるのは、いささか都合がよすぎる。
「テレビ」(★)は、子どもの遊ぶ様子を映していると、突然テレビが異常をきたし、子どもが倒れる。うがった見かたをすれば、倒れた子どもが笑いをこらえているようにも思える。このあとの「続」の展開も加味すると、じつはこの父子が仕組んだいたずらなのではないか、などと想像してしまう。
その続編「続・テレビ」(★★)では、投稿映像より投稿者の妻とスタッフのやりとりに焦点があてられる。そこで一悶着あるのだが、結局は商品化されているのだから、妻は納得したのだろう。あるいは、家族ぐるみのヤラセだったのか……。
「遊園地」(★)は、廃墟となった遊園地で撮影された8ミリフィルムの映像。こういうことはふつうに起こりそうではあるのだが。
「運動会」(★)は、いまは亡き娘の姿を撮ったもの。ナレーションの言うようには見えず、こじつけとしか思えない。そもそもどうやって発見したのかも謎。
「ラブホテル」(★)は、とあるカップルが撮影した映像。小道具の使いかたがよい。いろいろ想像させる余地があり効果をあげている。小道具の内容を考えると、もっとすごいことが起こってもよさそうなのだが。
「動物園」(★)は、動物園の駐車場で撮影されたもの。奇妙な「人影」と説明されるが、そのようには見えない。子どもの思い出を映した映像で、なぜまったく無関係の場所に着目したのか。その点も解せない。
「団地」(★)は、引っ越しの際に記念に撮られたもの。その場に異界のモノがいたとして、なぜそんなふうに映りこむのかが不可解。パート7の「火事」に映ったモノにも似ている気がする。
「鏡」(★★)は、ビデオの試し撮りをしているときに起きた怪異。ビデオカメラで起こりがちのようにも思えるが、やはり不可解な映像なのであろう。ナレーションの解説は、冷静に考えればスタッフのただの想像だが、絶妙に恐怖心を駆りたてる。
「河原」(★)は、家族がキャンプをしている様子を映したもの。これもナレーションの語るようなモノに見えない。そこに霊が存在するはずだという強い確信を持たなければ、このようなものを“発見”することはできないはずだ。
「映画館」(★)は、映画館のロビーに設置された監視カメラの映像。現われかたが人工的である。ただ、「最恐映像42選」にラインナップした「雨の死者」と似ており、ホンモノはこういうふうに現われ、そして消えるのかもしれない。そんな想像をして楽しめる。
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