[演出:坂本一雪/構成:坂本一雪/ナレーション:中村義洋/2004年4月2日発売]
- 「謎の廃墟」★
- 「コンビニの噂」★
- 「シリーズ監視カメラNo.1」★
- 「初詣」★★
- 「憑りつかれた車 前編」★★
- 「シリーズ監視カメラNo.2」★
- 「赤子の霊」★
- 「カラオケBOX」★
- 「夜の散歩」★★★★
- 「サバイバル」★★
- 「家に宿る怨念」★
- 「シリーズ監視カメラNo.3」★
- 「続・憑りつかれた車」★★
パート12は「夜の散歩」(★★★★)が良作で、「最恐映像42選」にもランクイン。ほかにもインパクトのある映像が見受けられるパートとなっている。
「謎の廃墟」(★)は、廃墟とおぼしき場所を探索している様子を映したもの。「差出人不明のテープ」という滑り出しはいい。だが、肝心の映像に映る〈影〉は、動きが人工的で、合成と疑われてもしかたのないシロモノ。いずれにしても怖くないのは致命的だ。
「コンビニの噂」(★)は、『Special 3』で紹介された「コンビニの噂」に奇妙なモノが映っているという。ナレーションで「霊が横切る」と言うが、「霊」と断定している点に注目。じつは本シリーズでは「奇妙なモノ」とか「異界のモノ」などと表現されることはあるが、「霊」という言葉はほぼ使われない。本作はきわめて異例といえる。
その「霊」と呼ばれたモノだが、横切るというよりただ横にスライドしているだけである。しかもカメラのブレと無関係に霊が細かく動いており(異形像微動)、もしその場にほんとうに「霊」がいたのなら、こんな動きはありえないのではないか。
「シリーズ監視カメラNo.1」(★)は、集合住宅の一角を映した映像。映りこんだモノは、はたしてナレーションの言うような存在なのか? ピクリともしないので判断しかねる。
「初詣」(★★)は、大晦日に友人を撮った映像で、なかなかのインパクトのある事象が起こる。素人目にはカメラやテープの不具合という気もするが、こんな故障はないのだろう。なぜこんなことが起こるのか意味がわからないだけに、不気味さもひとしおだ。
「憑りつかれた車」(★★)は、バイトの仲間と遊びに行った際、車内で撮られた映像。現われたモノは、それらしくも、そうでないようにも見える。カタチが定まらない〈霊〉は珍しい。
一方の「続・憑りつかれた車」(★★)の映像には、〈なにか〉が映っており、撮影者も気づくのも良い。ただ、それがなにかよくわからないのはマイナスだ。投稿者の事故の原因とされる「人影」のほうが映像におさめられていれば……。
本題とは関係ないが、インタビューに答えている女の子の雰囲気が女優の佐藤仁美さんに似ている。
「シリーズ監視カメラNo.2」(★)は、地下鉄のホームに設置された監視カメラの映像。怪異は光の加減かと思ったが、じわじわと現われるのでちがうらしい。ただ、ナレーションで言う存在には見えない。
「赤子の霊」(★)は、とある家庭で映されたもの。〈霊〉とおぼしきモノは最初はお母さんの顔が反射しているのかと思ったが、よく見るとそれは不自然であることがわかった。誤解するくらいタイミングが絶妙だったのはなぜだろう?
「カラオケBOX」(★)は、終電を逃した投稿者たちがカラオケボックスで時間をつぶす様子をとらえたもの。例によって異形の登場のしかたがあまりに人工的である。かりに霊の類いだったとして、意思のあるものがこのような動きをしないのでは?
「サバイバル」(★★)は、サバイバルゲームを楽しむ様子を撮影した映像に奇妙なモノが映りこむ。メンバーが災難に見舞われる様子もおさめられており、緊迫感あふれるものになっている。不自然な人影が映っているのだが、偶然ではなく、「そこにいる」とわかってるカメラワークのようにも思えた。
「家に宿る怨念」(★)は、建築中の我が家を撮影したビデオ。「奇妙なモノが映っている」とされる部分を見ていたはずなのに、初見では異変に気づかなかった。ただの黒い煙だとも思ったが、カメラのブレと連動せずに動いており(異形像微動)、合成されたものではないだろうか。
「シリーズ監視カメラNo.3」(★)は、マンションの出入り口を撮った映像。映るのは人の姿にはちがいないが、なんだが平べったい。久しぶりに二次元の〈霊〉が出現している。柱に投影されている映像のようにも見え、ホンモノだとしたらこんなふうに現われないのでは?
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