「中古ビデオ」©2002 NSW/パル企画
[演出:近藤太・坂本一雪/構成:近藤太・坂本一雪/ナレーション:朝コータロー/2002年11月22日発売]
- 「首都高の霊」★
- 「巨大団地」★
- 「最後の一人」★
- 「人影」★
- 「漂流する霊」★
- 「霊公園」★★
- 「区画整理」★
- 「コンビニの噂」★
- 「子供の声」★★
- 「中古ビデオ」★★★★
- 「続・巨大団地」★
このパートにおさめられている心霊映像は全体的に地味。とくにメインのあつかいの「巨大団地」(★)が弱い。それだけに「中古ビデオ」(★★★★)の存在感が圧倒的だ。
「首都高の霊」(★)は、首都高から夜景を撮った映像に不可解なモノが映りこむ。ふつうに観ていると気づかないので、どうやって発見したのか気になる。
「巨大団地」(★)は、自殺が絶えない団地に女の子2人組がカメラを持って忍びこむ。ここでは投稿者へのインタビューが中心で、投稿映像は紹介されない。
「続・巨大団地」(★)で投稿映像が紹介されるが、そこに現われるモノは合成っぽさがあふれる。本作のメインは、スタッフと投稿者が団地を歩きまわるシーンだと思うが、これも特筆すべきことがない。
「最後の一人」(★)は、演劇の公演を記録したもの。やはり、とってつけたような〈霊〉が出現。演劇の演出のようにも思える。
「人影」(★)は、何者かがいたずらをするというのでしかけられた監視カメラの映像。あとから合成したような異形が現われる。いわくありげな鏡が登場するが、これについてはなにも追求されない。
「漂流する霊」(★)は、河川に設置された監視カメラが、川面に浮かぶ〈人影〉らしきモノをとらえたらしいが、〈人影〉には見えない。
「霊公園」(★★)は、公園で子どもが遊ぶ様子を撮影していると、奇妙な〈手首〉が現われる。一瞬の現象なので初見ではわからなかったが、静止するとたしかにそう見える。エピソードにひとひねり加えてあるのがいい。
「区画整理」(★)は、廃屋が建ちならぶ場所でビデオの試し撮りをした映像。異形が現われたとの触れこみだが、輪郭線を描かなければわからないのは、ホンモノとは言えまい。
「コンビニの噂」(★)は、深夜のコンビニに女の〈霊〉とおぼしき存在が現われる。たしかに人影のようには見えるが、あまりに平面的で現実味がない。
「子供の声」(★★)は、デートを楽しむカップルが映った映像。不可解な声が聞こえるが、これがなかなか不気味だ。はっきりとした声なので、まわりのだれかが発した可能性も。
「中古ビデオ」(★★★★)は、フリーマーケットで買ったビデオカメラのなかに残されていた映像。けっこう不気味に仕上がっていて、良作といえる。ただ、異形はいかにも写真を加工した感じで、ニセモノっぽさも漂う。
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