[演出:白石晃士/構成:近藤太/ナレーション:宮川宏司/2002年8月23日発売]
- 「差出人不明の投稿ビデオ」★★
- 「ライブハウスに異形の物体が…」★
- 「社内の宴会に謎の光球が…」★
- 「野良猫の体に何ものかの顔が…」★
- 「廃坑をさまよう霊」★
- 「火事の煙の中に死神の顔が…」★
- 「芝居の稽古の最中に…」★
- 「お化け屋敷に本物の霊が…」★
- 「砂嵐のTV画面から」★
- 「8ミリフィルムに奇怪な目が!」★★
- 「波間に現われた霊」★
- 「結婚式に現われた怨霊」★
- 「呪われた椅子」★
『ver.X:3』と同様、特筆すべき作品もなく、やはり白石監督の真価は発揮されていない。一部の作品の小道具や設定には興味深いものもあるのだが……。
「差出人不明の投稿ビデオ」(★★)は、9回観ると呪われるとされる映像。小道具がよくできていて、不気味というより一種のアートのような趣がある。巻末でこの映像が紹介されるが、小道具によってハードルが上がったぶん、怖くなくなってしまっている。出現するモノもいかにも合成だ。
「ライブハウスに異形の物体が…」(★)は、ライブの様子を撮影した映像に奇妙なモノが映りこむ。そこにあったモノではなく、あとから合成した感じが強い。
「社内の宴会に謎の光球が…」(★)は、会社の会議室で宴会が催されているところに、不可解な光が現われる。ノイズやなにかの反射として説明がつきそうなくらい微妙な存在感だ。
「野良猫の体に何ものかの顔が…」(★)は、タイトルのとおり、猫のカラダに人の顔のようなモノが浮かぶ。本作もあとから付け足した(合成した)印象を受ける。
「廃坑をさまよう霊」(★)は、女子大生が研究発表のために訪れた廃坑で奇妙な映像を撮影してしまう。本作もいかにも合成という感じ。
「火事の煙の中に死神の顔が…」(★)は、偶然に撮影された火災の映像に奇怪なモノが記録される。煙のカタチが一瞬だけナレーションの言うように見えるのだが、ただの偶然としか思えない。合成だとすると、違和感なく仕上げたなと感心する。
「芝居の稽古の最中に…」(★)は、芝居のリハーサル風景を撮影したもの。不可解な〈手〉が現われるが、ホンモノだとしたら、なぜほんの一瞬しか映らないのか疑問が残る。
「お化け屋敷に本物の霊が…」(★)は、お化け屋敷で撮られた映像に不気味な顔が映っている。本作も付け足し感が強くニセモノっぽい。
「砂嵐のTV画面から」(★)は、ダビングが繰りかえされたいわくつきの映像。砂嵐の映るテレビを長々と撮影しているのだが、意図がわからないだけに不気味だ。心霊現象らしきものも起こるが、これは合成っぽい。
「8ミリフィルムに奇怪な目が!」(★★)は、1970年代の沖縄の様子を撮った映像に、奇怪なモノが映りこむ。これはなかなか不気味。8ミリフィルムであることを考えると、二重写しかもしれない。
「波間に現われた霊」(★)は、サーフィンをする友人を撮影していると、波間に不可解なモノが現われる。ナレーションでは「顔」と言っているが、そのようには見えず、霊の類いと主張するのも無理がある。
「結婚式に現われた怨霊」(★)は、結婚披露宴の様子を映した映像に奇妙な顔が出現する。あとから合成したような仕上がり。かりにホンモノだとして、なぜこんなふうに現われるのかが謎だ。
「呪われた椅子」(★)は、若い夫婦が自分たちの子どもを撮っているときに遭遇した怪異。スタッフがその原因を探っていく。終盤、とある場所に行きつくが、そこの雰囲気が不気味で良い。
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