心霊・恐怖・衝撃・戦慄の映像を分析

  1. ほんとにあった!呪いのビデオ

ほんとにあった!呪いのビデオ75

[演出:福田陽平・寺内康太郎/構成:佐上佳嗣・寺内康太郎・福田陽平・西貴人/ナレーション:中村義洋/2018年1月4日発売]

  • 「下見」★★
  • 「かいぼり」★
  • 「母の願い 前編」★★★
  • 「無人駅」★★
  • 「GPS機能」★★★
  • 「シリーズ監視カメラ 厠」★★
  • 「母の願い 後編」★★★★

パート75のメインコンテンツは前後編に分かれた「母の願い」(★★★★)。収録時間はこの巻のおよそ半分を占め、“夏の三部作”の長編並のボリュームを誇る。投稿映像には、それほど恐ろしい怪異は記録されていないのだが、調査によって明るみに出る真実が、心霊系ビデオであまりお目にかかれないモチーフを題材としており、とても興味をそそられる。設定の奇抜さだけでなく、「前編」から「後編」にかけてストーリーを盛りあげていく手腕はじつに手慣れたもの。最終的にきちんと恐怖へ落としこんでいるのは、本シリーズの面目躍如といった印象だ。

下見」(★★)は、キャンプ場の下見に行った際に撮られた映像。はっきりと異界のモノが映し出されている。怪異のがナレーションで語られるが、観る側の予想を上回るものではないため、あえて語らないほうが想像させる余地があるぶん恐怖度は高まったかもしれない。

かいぼり」(★)は、池の水を抜く行事をとらえたもの。〈霊〉とおぼしきモノが映っているとされるが、初見やリプレイでは「おわかりいただけ」なかった。静止画にしてはじめてわかるのだが、背景に溶けこんでしまっているので、見つけにくいのも当然か。

無人駅」(★★)は、ずばりこの作品の二番煎じというかセルフオマージュの趣(リンク先は観賞後にご覧ください)。ずいぶんと技術が進歩したのだなと感慨深くもあるが、インパクトは過去作のほうが上だ。表現力はアップしているが、それが必ずしも恐怖につながらないことの好例となってしまっている。

GPS機能」(★★★)は、最近話題になった某ゲームアプリをモチーフにしたもの。“あの世ならざるモノ”はこんな最新の技術にも対応しているらしい(じつは、アプリと心霊現象は無関係かもしれないが)。それほど恐ろしい現象とはいえないものの、〈出現域制御〉のように見えて、じつはそうでない点を評価したい。

シリーズ監視カメラ 厠」(★★)は、いたずらが頻発する公衆トイレにしかけられた監視カメラの映像。出現する異界のモノが地味……と思ったのだが、よく見るとなかなか不気味だった。

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