[演出:福田陽平・川居尚美/構成:福田陽平・川居尚美・新津徳也・美濃良偲/ナレーション:中村義洋/2018年7月4日発売]
- 「ホワイトアウト」★★
- 「子供の風景」★★
- 「写真スタジオ」★★
- 「ずっと一緒 前編」★★★
- 「美容院」★★★★
- 「フェスティバル」★
- 「祖父母の家」★★
- 「ずっと一緒 後編」★★
パート77は、前パートに引きつづき「初見ではわからない」現象が多い。正確に言えば、「ん? いまなにか映った?」と気づくのだが、はたしてそれが怪異かどうか確信が持てないまま映像が終わってしまうのだ。全体的にシリーズ初期にあった雰囲気が漂っている。好意的に解釈すればセルフ・オマージュの趣といえるが、悪くいえばクォリティーが低いという評価になる。
長編「ずっと一緒」(★★★)は、やはり前パートと同様、若者の色恋沙汰をあつかう。そこだけを見れば他愛もない話であり、「ほん呪」スタッフが奮闘する必要のない案件だが、心霊現象らしきモノが映ってしまったので、動かざるをえないのだろう。
展開はスムーズでそれなりに引きこまれるが、心霊の怖さはあまりない。
「ホワイトアウト」(★★)は、猛吹雪で車が立ち往生した際に撮られた映像。異形の出現が初見ではわからなかった。リプレイで見直しても、合成が粗っぽい印象だ。
「子供の風景」(★★)は、公園でカメラを持たされた子どもが撮ったもの。過去に似たようなシチュエーションの作品があった(『23』に収録の「鉄棒」)。本作は「どうやって見つけたの?」と疑問が残る。そこに出現することをあらかじめ知っていなければ発見できないように思えるのだが。
「写真スタジオ」(★★)は、写真館で家族の記念写真の撮影風景を映像に残したもの。異変が記録されているが、はたしてこれは心霊現象といえるのか? と思ってしまうほど微妙な異変だ。ただ、「もしかしたら錯覚かもしれない」と思える余地を残しているのは、制作陣の意図かもしれない。
「美容院」(★★★★)は、美容師が後輩のためにカットの様子を撮影していると、予想外の出来事が起こる。このパートの白眉といえる作品。「べつに心霊現象じゃないだろ」と思わせておいて、次の瞬間、恐怖が巻きおこる。アイディア、構成ともに見事だ。ただ、怪異の背景も語られるが、これはなくても良かったかも。
「フェスティバル」(★)は、公園で行なわれた催し物を撮影したもの。やはり初見ではわからず。リプレイでもわかりにくい。過去に何度も見たような現象で新鮮味がないのもつらい。
「祖母の家」(★★)は、投稿者が祖母の家を訪れたときに撮られた映像。これも初見でわからず。リプレイで見るとけっこう怖い造形の異形が現われていたのだと知れるが、ふつうに観ていてこれを発見するのは困難だろう(したがって、投稿者もよく見つけたなと思う)。
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