「疾走!」©2004 NSW/パル企画
[演出:坂本一雪/構成:坂本一雪・勝屋敷隆志/ナレーション:中村義洋/2004年7月2日発売]
- 「寂れた公園」★
- 「呪いのビデオ12より」★
- 「シリーズ監視カメラ No.1 人体欠損」★
- 「疾走!」★★★★
- 「淫霊」★
- 「シリーズ監視カメラ No.2 ATM」★
- 「2003090909」★
- 「サービスエリア」★
- 「井戸」★★★★
- 「携帯電話・デジタルカメラ」★
- 「シリーズ監視カメラ No.3 夜間の道路」★
- 「日本人形」★★
- 「その後」★
このパートの白眉は「疾走!」(★★★★)と「井戸」(★★★★)。まさに「Special」の名にふさわしい傑作で、当然「最恐映像42選」にも選出している。とくに、ほかがしょぼいだけに、この2作の出来栄えが際立つ。
「寂れた公園」(★)は、実家の近くにある寂れた公園を映像におさめたもの。公園の雰囲気が良い。異界のモノも現われるが、かなり地味。ホンモノの霊はこういうものかもしれないと思えば、情緒があるといえる。
「呪いのビデオ12より」(★)は、パート12「謎の廃墟」の舞台となった廃墟の映像が別の投稿者から寄せられる。異形が映っているとのことだが、光の加減でそう見えるだけのような気がする。スタッフが現地におもむいた際、廃墟の様子を長々と映しつづけるが、不気味な雰囲気が漂っているのが良い。
「監視カメラ No.1 人体欠損」(★)は、街中に設置された監視カメラがとらえたもの。地味ながらそれなりにインパクトのあるモノが現われるが、いかんせん古臭い手法だと思う。
「淫霊」(★)は、投稿者の知人の女性にいたずらする〈霊〉がテーマ。奇怪な現象の根拠は女性の証言しかなく、いまいち盛りあがりに欠ける。取材部分で面白がせる狙いなのだろう。
「監視カメラ No.2 ATM」(★)は、ATMの防犯カメラがとらえた怪異……というのだが、なにが映っているのかまったくわからない。
「2003090909」(★)は、『Special 3』の「中古ビデオ」を観た視聴者に異変が起こるというもの。この「中古ビデオ」の映像が怖いだけで、本作のエピソードは特筆すべきことがない。
「サービスエリア」(★)は、サービスエリアで起こった怪異をとらえる。問題のモノがどこに映っているかまったくわからない。ノイズのなかに現われるらしいが、だとすると〈それ〉もノイズなのでは?
「携帯電話・デジタルカメラ」(★)では3作が紹介されるが、初見ではまったくわからず、いずれも光の加減のようにしか見えない。
「シリーズ監視カメラ No.3 夜間の道路」(★)は、それらしいモノは映っているが、いかんせん粗い映像なので、ノイズかなにかのようにも思える。
「日本人形」(★)は、町工場の倉庫から見つかった8ミリフィルムの映像。古い日本人形が映っている。ただ不気味なだけという気もするが、映像に漂う雰囲気は悪くない。
「その後」(★)は、蛇足のような作品。
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