[演出:児玉和土/構成:児玉和土/ナレーション:中村義洋/2008年8月8日発売]
- 「白面の女」★★★
- 「占い師1」★★★
- 「お正月」★
- 「送別会」★
- 「占い師2」★★★
- 「シリーズ監視カメラ 市街地」★★
- 「ダンス」★★
- 「サマーキャンプ」★
- 「占い師3」★★★
パート29は三作に分かれた「占い師」(★★★)がメインとなる。本シリーズを特徴づける長編取材モノの始まりである。心霊現象の裏に深い背景が浮かびあがってくるのが長編の醍醐味だ。本作はいまから振りかえると、無難にまとまっている印象を受けるが、ほどよいリアリティーで悪くはない。
「占い師1」(★★★)で紹介されるのは、アダルトサイトで配信されていた映像で、女性の部屋の様子を中継したもの。現象そのものがあまり怖くないのが惜しい。
「占い師2」(★★★)は、一年前に投稿された映像に「占い師1」とおなじような異変が映っているというもの。出現のしかたがパート18「ビデオレター」と似ているので、どうしても二番煎じの印象をまぬがれない。また、カメラワークが不自然なのが恐怖感を削いでいる。おあつらえ向きの場所に異形が出現し、どういう状況で撮っているのか、不審感が募る。
「占い師3」(★★★)では、スタッフが仮説を立てる。異界のモノが映像に映るくらいならともかく、人を消してしまうほど力を持っているのは信じがたい。心霊現象ではなく別の原因の可能性もありそうだが……。
ほんとにあった!呪いのビデオ「『占い師』より」 – YouTube
「白面の女」(★★★)は、投稿者が温泉旅行に行った際、旅館の裏にあった廃墟を探索しながら撮影したもの。カメラワークが不自然な気がする。異変に気づいて逃げ出すタイミングも早すぎないだろうか。とはいえ、現われるモノの造形が不気味なので恐怖度はそれなりに高い。
ほんとにあった!呪いのビデオ「白面の女」 – YouTube
「お正月」(★)は、新年を迎えた家族の団欒を映したもの。異形が突然フレームインしてくるのでびっくりするが、異形は静止画である。
「送別会」(★)は、居酒屋で行われたアルバイトの送別会で異変が映りこむ。不気味な造形だが、やはり「なぜそんなところを撮っているのか」と、カメラワークの不自然さが気になる。
「シリーズ監視カメラ 市街地」(★★)には、交差点を歩く人々の様子がとらえられている。一見すると地味な現象であり恐怖感は高くないが、人知れず街の片隅でこのようなことが起こっていると考えると不気味さが際立つ。
「ダンス」(★★)は、振付け師の投稿者が深夜の公園で踊っている様子を撮影したもの。現われるモノは不気味なのだが、典型的な〈出現域制御〉である。怪異のいわくも語られるが、なにもわからないほうが怖かったのでは?
「サマーキャンプ」(★)は、海で行なわれたサマーキャンプで異変が起こる。過去作にも似たようなネタがあったが(パート25「ロッククライミング」)、こちらはちょっとデフォルメされている。ゴミかなにかだと思ったが、直後に消えており、そこが不可解といったところか。
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