「白い着物の女」©1999 NSW/パル企画
[構成:中村義洋・鈴木謙一/ナレーション:高橋眞三樹/1999年8月22日発売]
- 「白い着物の女」★★★★
- 「トンネルにて」★
- 「墓参りの記録」★
- 「劇団の稽古風景」★
- 「続・白い着物の女」★★★★
- 「結婚パーティーにて」★
- 「事故現場にて」★
- 「監視カメラ」★★
- 「続々・白い着物の女」★★★★
- 「生中継番組」★★
- 「大学校舎にて」★★
- 「盗撮・試着室」★
- 「千駄ヶ谷トンネル」★
「最恐映像42選」で紹介している「白い着物の女」(★★★★)のような“本格派”から、「なにかのまちがいでは?」と思えるニセモノっぽい作品まで、パート1はバラエティに富んでいて楽しい。本シリーズは、それらを含めて“心霊映像”なのだ。
「トンネルにて」(★)は、走行する車からトンネルを撮影したもの。「言われてみれば、そう見えなくもない」というシロモノだが、それはそれで興味深い映像ではある。
「墓参りの記録」(★)は、墓参りの様子を映した8ミリフィルム。はっきりと〈それ〉が映る。8ミリフィルムであることを考えると、二重写しの可能性もありそうだ。
ほんとにあった!呪いのビデオ「墓参りの記録」 – YouTube
「劇団の稽古風景」(★)は、演劇のリハーサルの模様を撮影した映像。はっきりとしたモノは出てこないため、心霊現象かどうかはわからない。
「結婚パーティーにて」(★)は、結婚式の二次会の様子をとらえたもの。たしかに異様なモノが映るが、「なぜよりにもよってそんな場所に?」という疑念のほうが強く、恐怖を感じるまでにはいたらない。
「事故現場にて」(★)は、たまたま事故現場を通りかかった投稿者が撮影した映像。たしかに〈それ〉らしきものが見てとれる。これが心霊現象だとすると、やはり「なぜそんなピンポイントなところに?」という疑問がわく。心霊現象でないとすると、光の反射が偶然そう見えるだけなのかもしれない。
ほんとにあった!呪いのビデオ「事故現場にて」 – YouTube
「監視カメラ」(★★)は、カラオケボックスにそなえられた監視カメラの記録。異界のモノの映りこみかたが味わい深く、初期の佳作のひとつ。
ほんとにあった!呪いのビデオ「監視カメラ」 – YouTube
「生中継番組」(★★)は、ローカル番組の放送中に起こった怪異。往年のジャパニーズ・ホラーの典型的な恐怖表現である。その意味ではニセモノっぽさが残るが、映像は不気味に仕上がっている。
「大学校舎にて」(★★)は、深夜の大学の校舎で肝試しをしているときに異変に遭遇する。このパート1がリリースされた当時、本作をはじめて観たときは非常に驚いた覚えがある。異界のモノはあきらかにそこにいる実在感があり、撮影者たちが異変に気づき悲鳴をあげる。いまでこそありふれたパターンだが、当時は画期的だった。
とはいえ、いまあらためて観直すと、画像を壁に映写しているだけのように見える。「そう。ホンモノの霊とは、そういうものなのです」という考えも成りたつが、映写しているように見えるものは、実際に「映写している」と考えるのが合理的だろう。
「盗撮・試着室」(★)は、マニアが盗撮した映像。いまいちはっきりしないうえ、これも「なぜそんなところに?」という疑問のほうが強い。
「千駄ヶ谷トンネル」(★)は、心霊スポットとして知られる千駄ヶ谷トンネルで撮影したもの。スタッフが心霊スポットに足を運び、霊の姿をとらえる。「そんな、狙いどおりに撮れるわけがない」というツッコミが頭に浮かんでしまう。
ほんとにあった!呪いのビデオ「千駄ヶ谷トンネル」 – YouTube
パート1の最後に、おまけのような“心霊映像”が収録されているが、とくにナレーションで説明はされない。雰囲気づくりのための映像で、つまりは作りものだろう。
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