[構成:中村義洋・鈴木謙一/ナレーション:中村義洋/2000年6月22日発売]
- 「卒園式」★
- 「音楽室」★
- 「焼却炉」★
- 「カルチャーセンター」★
- 「放送室」★
- 「入学式」★
- 「窓」★
- 「校庭」★
- 「学芸会」★
- 「タイムカプセル」★★★
パート4が“病院編”とするなら、このパート5は“学校編”。さまざまな怪談の舞台となる場所だが、心霊映像としてはたいしたことのない作品が集まってしまった。それだけに「タイムカプセル」(★★★)の出来栄えが光る。
「卒園式」(★)は、投稿者自身の卒園式の様子を記録した映像。フラッシュの光のなかに不可解なモノが映るが、それをどうやって発見したのか。確実にそこに映っているという確信がなければ、映像を停止してたしかめたりはしないだろう。典型的な〈刹那像〉である。
「音楽室」(★)は、音楽室に飾られた音楽家の肖像画が動くという噂がある学校で、真相をたしかめるべく投稿者がカメラを設置する。夜間に撮影されたものだが、やけに明るい気がする(ほんとうに夜だろうか)。投稿者は心霊現象を撮影するためにカメラをまわしており、証言を鵜呑みにしてよいのか疑問が残る(まんまとスタッフはかつがれた可能性も)。
「焼却炉」(★)は、不気味な噂のある焼却炉を撮影し異変が映ったとされるものだが、なにかの光が反射しているだけのように見える。つまり、不可解な現象ではない。ホンモノはこのようには映らないのではないか。
「カルチャーセンター」(★)は、とあるカルチャーセンターで開講された講座の模様をとらえたもの。ナレーションの言うようなモノには見えないが、かといってなにかと問われれば、不可解なモノとしか言えないのも事実。ただ、講師が動いたわずかな間にだけそこに映っている(出現域制御)のはいかにも怪しい。
「放送室」(★)は、中学校の校内放送に不可解な声が紛れこむ。ほんとうに不可思議な現象だったとしても、あまり恐怖を感じない。それよりも、舞台となる学校のそばに、いわくありげな祠があり、その立地のほうに興味を覚える。
「入学式」(★)は、入学式のあとに仲間たちが体育館で集まって談笑する様子をとらえたもの。たしかに〈それ〉を確認できる。だが、出現する場所があまりに都合がよすぎでは? 少しでもタイミングがズレていれば映らなかったはず。
「窓」(★)は、だれもいないはずの窓に人影が見えるという学校で、スタッフがカメラを設置する。たしかに映っているが、動きが人工的すぎる。また、証言と形がちがっているが、よいのだろうか。
「校庭」(★)は、小学校の校庭で遊ぶ子どもを映したホームビデオ。不可解な〈声〉が聞こえるが、空耳かもしれない。撮影者自身の声の可能性もある。当人はそのとき言葉を発したのを忘れているのではないだろうか。
「学芸会」(★)は、小学校で行なわれた学芸会の様子を記録した映像。現われるモノは非常にわかりづらい。微妙に振動もしており、〈異形像微動〉の問題がある。
「タイムカプセル」(★★★)は、10年前に埋められたタイムカプセルを掘りおこす。このパート5のリリース当時、恐怖を覚えた映像である。最近の作品のように“あからさま”でないだけに、ホンモノらしさが漂う。被写体の現状も語られ、雰囲気を盛りあげている。
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