[演出:福田陽平/構成:福田陽平/ナレーション:中村義洋/2005年8月5日発売]
- 「樹霊」★
- 「湖の底から」★
- 「死神の告知」★
- 「防空壕の奥から…」★
- 「叫ぶ手」★
- 「振り返る地蔵」★
- 「彼女の背後に…」★
- 「呪われた病院」★
- 「仲間に入れて…」★
パート17に収録されている作品のほとんどが、1回見ただけではわからないうえ、リプレイしてもそのように見えない。シリーズの失速を感じさせてしまうパート。
「樹霊」(★)は、正月に実家に帰った投稿者が甥っ子を撮ったもの。ナレーションの説明のようには見えず、こじつけの観が強い。
「湖の底から」(★)は、夜の湖で勝手にボートをこぎだす様子をとらえたもの。「もしかしてこれ……?」と初見で問題の部分に気づいたが、錯覚のようにも思う。それよりも、なぜか投稿者の女性がどこか剣呑な雰囲気を漂わせており、そちらのほうに不気味さを感じた(もともとそういう意図の作品なのかもしれない)。
「死神の告知」(★)は、夜間に若者たちがスケボーで遊んでいるところを撮影したビデオ。これも、やはりリプレイしても、ナレーションで説明されるモノには見えない。ふつうに見ているとまったく気づかず、静止してもそうだとは思えない。これをそうだと言いはる投稿者の精神状態のほうが気になる。
「防空壕の奥から…」(★)は、地質調査のために撮られた資料映像。めずらしく1回目でわかったのだが、カメラのブレと動きが連動しておらず(異形像微動)、あとから合成したと言われても弁解のできない仕上がり。しかもナレーションの言うような存在には見えない。
「叫ぶ手」(★)は、観光客やサーファーでにぎわう美しい湘南の海の映像。現われたモノは「手」には見えない。ただのゴミではないだろうか? なぜこれを手だと思ったのか、そっちのほうが奇怪である。
「振り返る地蔵」(★)は、地蔵がたくさん並ぶ観光名所で撮った映像。あらかじめ異変の内容を説明されていたのにもかかわらず、1回目ではわからなかった。そもそもおなじ地蔵だったのか? ちがうようにも見えるのだが(だとしたら、「異変」があっても不思議ではない)。
「彼女の背後に…」(★)は、大晦日に部屋で恋人を撮っていると異変が起こる。これも1回目ではわからず。リプレイで初めてそう見えたわけだが、いかにも合成っぽい。
「呪われた病院」(★)は、大学の部室を改装したときにロッカールームから出てきたビデオ。廃病院とおぼしき場所が映っている。映像は、もっともらしく「だれが何のために撮ったのだろうか」などとナレーションされるが、発見された経緯を考えるとだいたい想像できるのでは? しかも肝心の部分はまったくそのようには見えない。
「仲間に入れて…」は、中学校時代のクラスメイトが母校で催した小さな同窓会の様子をとらえたもの。これもカメラのブレと連動せずに〈霊〉が動いており(異形像微動)、合成の可能性が高い。また、人物を特定できるほど鮮明には映っていないので、なぜその人だと思ったのかが不思議。
まったく関係ないが、中学を卒業してバラバラの高校に行ったと説明されていたが、投稿者たちはおなじ学校の制服を着ているようにも見える。
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