[監修:鬼塚リュウジン/音楽・音響効果:荒井佑/2018年6月2日リリース]
- 「心霊パパラッチ」◆◆◆◆
- 「泥の人」◆◆
- 「帰れなかった霊体」◆◆
- 「ボウボウ」◆◆◆
「表題作が奮わない」という本シリーズのジンクスを破り、「心霊パパラッチ」がこのパートでもっとも出来が良い。一発目に持ってきていることから、制作者の自信のほどがうかがえる。
心霊スポットで心霊映像を撮影する。何億回とくりかえされてきた題材だが、けっして白けさせることなく、手堅くまとめあげている。本シリーズらしいスパイスを効かせているのも憎い。
ただ、この安定したつくりが安心感につながってしまい、恐怖感がやや和らいでしまっているのが惜しい。長くつづくシリーズの宿命ではあるが……。
「泥の人」は、ユニークな異形が登場。観る者を楽しませようする制作陣の創作意欲は買いたい。つくりが粗いのは意図どおりだろうが、〈恐怖〉か〈笑い〉か、いずれか一方に振りきれていれば、もう少し満足度も高まったのだが。
「帰れなかった霊体」も、廃墟を探索する話で定番のパターン。さまざまな怪異が起こるが、「下手な鉄砲……」の観もある。いわくが理屈めいているのも、恐怖度が下がる原因になっている。
「ボウボウ」にも、多種多様な現象が詰めこまれている。やはり恐怖度は高くないが、久しぶりにスタッフ・田中さんがインタビュー以外で現場に出張っている。さらに、異界のモノの働きかけで田中さんが被害を受ける。そこも見どころになる。
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