[監修:鬼塚リュウジン/音楽・音響効果:荒井佑/2018年7月4日リリース]
- 「タイムカプセル」◆◆◆◆
- 「指が好きな女」◆◆◆◆
- 「シンクロニシティ」◆◆◆◆
- 「きれいになりたい」◆◆◆◆
このパートは、4作品のいずれもクォリティが高い。シリーズとして及第点を軽くクリアしながら、それでも妥協はせず、さらに一歩踏みこんで恐怖度や娯楽性を高めている印象だ。シリーズのファンも初心者も満足できるパートとなっている。
「タイムカプセル」は、文字どおりタイムカプセルを掘りおこそうとすると怪異が訪れる。若者たちが醸し出す能天気な雰囲気がジワジワと剣呑なものに変わっていくのが見どころ。異形の現われかたが絶妙で、そのあとに起こる蛇足のような現象も小技として効いている。
霊能者のジョン氏が、予想外のかたちで“活躍”するのも興味深い。
「指が好きな女」は、ホテルに呼んだ風俗嬢が奇妙なふるまいをする。心霊というより、生きた人間の持つ異常な精神を表現することに重きが置かれている。展開は十分に予想できるものだが、だからこそ観る者の期待に応える内容ともいえる。
「シンクロニシティ」は、友人とふたりで誕生日をお祝いした際に撮られた映像。友人に異変が起こるが、本作も丁寧に恐怖を煽っていく構成が見事だ。ただ、最後に現われる異形は、おぼろげな存在ではなく、あたかも目の前にいるかのような実在感を持っていたほうがよかったかもしれない。
「きれいになりたい」は、アイドルがネット配信をしているときに体験した怪異。小道具がうまく雰囲気を盛りあげる。ラストも適度にえげつなく、本シリーズの面目躍如の仕上がりとなっている。
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