[演出:松江哲明/構成:松江哲明/ナレーション:中村義洋/2002年5月24日発売]
- 「祖父」★
- 「煙に浮かぶ顔」★
- 「続 白い足」★
- 「下水道」★★★
- 「叔父の呪い」★
- 「落下する霊」★★★
- 「海水浴」★★
- 「声に取り憑かれた男」★
パート10は、マンネリを打ちやぶろうとしているのか、映像より投稿者のキャラクター性に焦点をあてた作品が印象に残る。これは人によって好みが分かれそうだが、ホラーとしてはひとつのやりかたではあろう。問題は、それが必ずしも成功しているとはいえない点だ。
「祖父」(★)は、子どもの成長記録として撮った映像。〈霊〉の出現のしかたが人工的で、サイズも不自然だ。もっとも「霊ってそういうもんだよ」と言われれば返す言葉はないのだが。
「煙に浮かぶ顔」(★)は、花火を楽しむ様子をとらえたもの。映像を静止してもあまり「顔」には見えない。ほかの作品とおなじように、投稿者はどうやってこれを発見したのか疑問。「なにかの予兆」などとナレーションで語られるが、実際の出来事はたいしたことのない話である。
「続 白い足」(★)は『Special 2』の「白い足」の続編。子どもがおかしいというが、「子どもってそういうものじゃないの?」というツッコミが頭に浮かぶ。つまり、とくに奇異な現象とも思えない。因縁を無理矢理こじつけているようだ。
「下水道」(★★★)は、下水道に落とした指輪を探すために撮った映像。なかなかインパクトがある。〈それ〉はなぜ突如して現われ、そして消えたのか。映りこんだモノをどう解釈すればいいかわからずモヤモヤが残る。ホラーとして良い意味で後味が悪い。
「叔父の呪い」(★)は、部屋で話し合いをしている映像に死んだ投稿者の叔父の姿が映る。投稿者が胡散臭いというか挙動不審である。ただ、それはこのエピソードの制作意図なのだと思う。投稿映像はまったく怖くないし、心霊現象でもない。それ自体は良いのだが、構成がかなり支離滅裂であるため、いまいち楽しめない仕上がりになっている。
「落下する霊」(★★★)は、消防団員の訓練の様子をおさめたビデオ。なかなか異様な現象をとらえたものだと評価できる。ほんとうに人のようなモノが落ちているように見えるのだ。
「海水浴」(★★)は、とある家族が海水浴に行った際に撮られたホームビデオ。恐怖度はそれほど高くないのだが、不可思議さが楽しめる。地味なだけに、何気ない日常に忍びよる怪異といった趣だ。
「声に取り憑かれた男」(★)は、キャンプを楽しむ様子をとらえた映像。これも投稿者が胡散臭いが、やはりそこに焦点をあてたエピソードなのだろう。投稿映像に入っている〈声〉は空耳のように思える。その場にいたもうひとりの女性の声では?
この記事へのコメントはありません。