[監修:鬼塚リュウジン/音楽・音響効果:荒井佑/2019年12月4日リリース]
- 「道連れの場所」◆◆◆
- 「心霊スポット案内人2」◆◆◆
- 「二口女」◆◆◆◆
- 「寄生虫」◆◆◆◆
このパートは『38』と同様に、若手スタッフの玉置氏・山口氏が案件をさばいていく番外編(?)。あくまでこの2人のふるまいにスポットを当てるのがメインで、現象のほうはサブとしておざなり——と予想していたのだが、意外にも(といっては失礼ながら)サブであるはずの怪現象もしっかりつくりこまれている。
「道連れの場所」は、学校の屋上で起こった奇妙な出来事を撮影したもの。話がどう転がっていくのか予想がつかず、まったく明後日の方向からモチーフを持ってきている。インパクトに欠けるのが難点だが、玉置氏・山口氏のグダグダっぷりを加味すれば、なかなか楽しめる一編といえる。
「心霊スポット案内人2」は、あろうことか『38』収録のエピソードの続編。投稿映像では、なにが起こっているのか理解できず、ナレーションで背景が語られても理屈に合わず、そこがかえって不気味さを醸し出している。玉置氏たちのやりとりも見どころにはなるが、前回ほどの滑稽さがないのは惜しい。
「二口女」は、不審な女がゴミをあさっている映像に、とんでもない異形の姿が映る。この異形の造形をまずは評価したい。やはり玉置氏たちが現場に出張る展開となるが、本シリーズの持ち味を活かすなら、もう少し意外性があってもよかったように思う。
「寄生虫」は、山口氏の友人が不可解な現象に悩まされる。タイトルからして剣呑な雰囲気が漂うし表題作でもある。期待半分、不安半分といったところだが、悪くない出来栄えだ。玉置氏たちが騒動の渦中に放り込まれるため臨場感がある。本作にも異形が登場するが、こちらも造形にこだわりを見せている。ただ、もっとえげつない展開になってもおもしろかった気がする(ふたりのうち、どちらかが異形に噛まれるとか)。
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