[構成・演出:マキタカズオミ/演出補:江原大介・平山真好/ナレーション:中村義洋/2021年3月5日発売]
- 「這う」★★
- 「濡れるお札」★★
- 「古着」★
- 「金神 前篇」★★★
- 「でてよ」★★
- 「シリーズ監視カメラ 遊具」
- 「首長」★
- 「金神 後篇」★★★
このパートも全体的に「ほん呪」らしいテイストといえるが、現象に既視感のある作品が多いのが残念。
長編「金神」(★★★)は、よい題材を見つけてきたなという印象。構成も卒なくまとまっているものの、やはり無難なつくりが、観る者の満足度を下げてしまっているようにも思う。
「這う」(★★)は、葬式後に親族たちが集まる様子を撮影していると、奇妙なモノが現われる。よくある出現のしかたで、あまり驚きがない。〈異形像微動〉の問題があり、実在感がないので、恐怖度もあまり高くない。
「濡れるお札」(★★)は、心霊モノではよくあるシチュエーション。期待の高まる滑り出しだったが、インタビューでオチを割ってしまっているのがいただけない。現われるモノの造形はよいが、やはり〈異形像微動〉の問題がある。
「古着」(★)は、結婚式の二次会の帰りに友人たちを撮影した映像にこの世ならざるモノの姿が映りこむ。出現がわかりにくく初見では見逃してしまった。ナレーションで恐怖をあおるが、こじつけにしか思えないのがマイナス。
「でてよ」(★★)は、心霊スポットの廃墟で恐るべき体験をする。小道具の使い方にひと工夫があり、廃墟を探索するシチュエーションも雰囲気を盛り上げる。ただ、もう少し驚きがあってもよかった気もする。一方で「もしかしたらありえるかも」と、ほどよいリアリティになっているともいえるが。
「シリーズ監視カメラ 遊具」(★)は、福祉施設に設置されたカメラが奇妙な現象をとらえる。過去に似たような現象をとらえた作品がある。あちらに比べると、動きが派手なぶんニセモノっぽさが漂ってしまう。過去作がなければ、それなりに興味深い現象であるのだが。
「首長」(★)は、森で映画のロケハンをしていると、不気味な映像が撮れてしまう。これも現象がややわかりにくく、初見では見逃してしまった。シチュエーションは興味深いもので、映像をもう少し怖いものにできる余地は十分にあったようにも思う。
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