[演出:白石晃士/構成:白石晃士/ナレーション:中村義洋/2003年11月21日DVD発売]
- 「携帯電話」
- 「首なし」
- 「居酒屋」
- 「事故」
- 「腕」
- 「続・事故」
- 「続・携帯電話」
本作で紹介される投稿映像は、いずれもたいした怪異ではなく、見間違いとも解釈できるものばかり。ただし、本作において投稿映像は本題ではなく、そのあとのスタッフによる取材であきらかになる怪異の背景こそが肝である。なかなか凝った構成になっており、映像よりそちらを楽しむべき作品といえる。
投稿映像は本題ではないが、いちおうそれぞれを簡単にレビューしておこう(ほかのパートと投稿映像の趣旨が異なるので、上記のリストに評価の★印は付していない)。
「携帯電話」は、滝の前に人影のようなモノが映りこんだという。のちにスタッフも検証するが、「人影」に見えない。
「首なし」は、首なし地蔵の上に顔とおぼしきものが浮かんでいるという。「苦悩の表情を浮かべて」とナレーションでは言うが、そのように見えず、そもそも「顔」だったのかどうか。フレームギリギリに現われるのも怪しい。
「居酒屋」は、女性の姿とおぼしきものがふすまに映っている。あまりに薄いので、わかりづらく、どうやって見つけたのかが疑問。むしろそのほうがホンモノらしいともいえなくはないが。
「事故」は、奇妙な声が入っている。これがこのパートのメイン。空耳のようにも聞こえるが、はっきりと聞こえないというのがポイントとなる。
「腕」は、窓の外に白い腕が映っている。これも薄いのでわかりづらい。
「続・事故」は、事故の遺族の家を訪ねた様子を隠し撮りした映像。奇妙な影が映っているが、ここはやはり本題ではないためか、あまりはっきりとクローズアップされない。
「続・携帯電話」は、これ以降がメインの取材モノになる。街頭で問題の音声を聞いてもらうなどなかなか凝っている。白石監督の『ノロイ』『オカルト』などを思い出させる展開。
かなり曖昧な根拠をもとに投稿者の求めに応じて行動し、いちおうは解決したかのように見えるが、これで良かったのか、煮えきらないものが残る。ただ、「もしかしたら解決していないかもしれない」というのを匂わせているのは、意図的なものであろう。
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