[演出:藤本裕貴/構成:藤本裕貴、田中翔/製作:張江肇、鈴木ワタル/プロデューサー:張江充、岩村修/演出補:男鹿悠太、木勢まりあ、齊藤凛太朗/演出協力:寺西涼/構成協力:関口さと子/音楽・音響効果:ボン/ナレーション:中村義洋/2023年4月7日発売]
- 「謎の光」★★★
- 「水没」★★
- 「疫病神」★★
- 「ジェノサイド 前編」★★★★
- 「薄闇」★★
- 「従姉妹」★★★
- 「ジェノサイド 後編」
長編「ジェノサイド」(★★★★)は、なんとも不穏なタイトルだ。タイトルの意味は終盤にあきらかになるが、恐怖とはまた異なる感情を催す点を評価したい。話の展開も観る者の興味を失わせず、語り口もなかなか巧妙だ。良作といえるだろう。
「謎の光」(★★★)は、じつに興味深い現象。ありえない出来事にも思える一方で、いつかどこかで自分の身にも降りかかるかもしれない。そんな現実味が感じられる。
「水没」(★★)で起こる怪異は大きく分けて2つ。1つめはちょっとわかりにくく、一見すると特別な現象ではないようにも思える。2つめは、あきらかに異様な出来事だとすぐわかる。両者は連動しているようにも思われるが、ほんとうにそうなのか。ナレーションでいわくも語られるが、鵜呑みにするのも抵抗を感じる。
「疫病神」(★★)は、「もしかしたらこういうこともありえるかもしれない」と思わせる映像ではある。ただ、ナレーションやタイトルで「疫病神」と説明しているが、(スタッフの想像であることは承知しつつも)適切なものなのか、と違和感をおぼえてしまう点がマイナスかもしれない。
「薄闇」(★★)は、「いかにも」「さもありなん」というタイミングで異形が出現しないので、最初は見逃してしまった。だからこそ“ホンモノ”と解釈できそうだが、見た目は平凡なようにも思う。
「従姉妹」(★★★)は、不気味な現象であることはたしかで、興味深い。ただ、タイミングやアングルが都合がよすぎる感じもする。このような現象が起こったとしても、カメラにおさまる確率はほぼゼロではなかろうか。
この記事へのコメントはありません。