[監修:児玉和土/プロデューサー:佐々木良夫/音楽・音響効果:荒井佑/2017年10月3日リリース]
- 魔窟 神出鬼没 ★★★★
- 狩人 ★★★★
- 顔顔顔 ★★★
『16』は、いずれのエピソードも「最恐エピソード15選」の〈竹〉や〈梅〉に入れてもいいほどクォリティーが高い。『闇動画』シリーズの魅力を堪能できる巻となっている。
「魔窟 神出鬼没」「狩人」は、撮影者が切迫した生命の危険にさらされるところが恐怖のポイント。それでもカメラを回しつづけているので、あとから冷静になって考えると「撮っとる場合かーっ!」と不自然さも感じるが、観ている間はそんな想いは頭に浮かばない。
20分ほどの投稿映像が、ワンカットではないものの、ほぼリアルタイムに進行していくので、臨場感は抜群。途中、一切ダレることなく恐怖を紡いでいく構成はお見事と言うほかない。
「魔窟 神出鬼没」は廃墟探索、「狩人」は狭いアパートの一室で起こる怪異で、いずれもよくあるシチュエーション。そこに、『闇動画』シリーズらしい味つけをほどこすことで、非凡な恐怖心が呼びおこされていく。
「顔顔顔」も、心霊スポットのトンネルを訪れる話で、何度も繰りかえしあつかわれてきた題材だ。だが、やはり独特の要素を付加していくことで、新鮮な恐怖を観る者に与える。
ただ、惜しいのは、予算や時間の制約もあったかと思うが、「グロい」部分の完成度がイマイチだった点だ。そこがもっと質の高いものに仕上がっていれば、より恐怖度もアップしただろう。
とはいえ、この『16』は、シリーズのファンなら大満足のパートといえる。
この記事へのコメントはありません。