[構成・演出:マキタカズオミ/製作:張江肇、鈴木ワタル/プロデューサー:張江暁、岩村修/音楽・音響効果:ボン/ナレーション:中村義洋/2022年10月7日発売]
- 「ハイキング」★★★
- 「機材チェック」★★★
- 「トンネルの先」★★★★
- 「グラスボート」★★
- 「移動する影」★★
- 「遊び場」★
どのような趣旨でナンバリングされないパートがリリースされたのかは不明だが、たしかにこれまでとは少しだけテイストの異なる映像がおさめられている。
「ハイキング」(★★★)は、真っ昼間とおぼしい場所で怪異が起こる。異形らしきものは撮影者からけっこう離れたところに現われるが、それでも実際に遭遇したら恐怖を感じるだろう。
「機材チェック」(★★★)に現われる、あの世のモノとおぼしき存在は往年のジャパニーズ・ホラーをほうふつとさせるが、消える瞬間がとらえられているのは珍しい(本シリーズにはほかにも例はあるが)。
「トンネルの先」(★★★★)は、心霊現象ではないけれど、あきらかに異様な事態が起こっている。数分間カットなしの映像で一部始終が確認できる。そこが興味深い。
「グラスボート」(★★)には、あきらかに不可解なモノが映りこんでいる。しかし、その場所・その瞬間にカメラを向けていたのは、偶然にしては出来すぎている、という想いを抱いてしまう。もっとも素直に怖がれればいいのだが。
「移動する影」(★★)は、オンライン飲み会の最中に起こった怪異をとらえる。理屈で説明のつかないから“怪異”なのだが、実際は逆で、“怪異”に仕立てるために理屈がつかない映像になっている、という気がしないでもない。つまり、かりに“この世ならざるモノ”がほんとうに現われたとしても、あんなふうに映らないのではないか、と邪推してしまうわけだ。
「遊び場」(★)は、公園で不可思議な存在をとらえる。シリーズ初期の味わいのある一編。悪くはないが、驚きもないというのが正直なところ。
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