[演出:菊池宣秀/構成:菊池宣秀・田代聖嗣/ナレーション:中村義洋/2015年7月3日発売]
- 「親子」★
- 「ゴンドラ」★
- 「スケープゴート 中編」★★
- 「街撮り」★
- 「上空」★
- 「シリーズ監視カメラ 鳥居」★
- 「証明写真」★★
- 「続・スケープゴート 中編」★★
前巻から長編「スケープゴート」(★★)が続く。心霊映像は興味深いものがあるが、異界のモノの造形があまり怖さを感じさせない。理屈めいているせいだろうか。「続」では緊迫感が味わえるが、スタッフが鍵を握る人物の行方を探すのに苦労しているのに、いざコトが起こると、その人物の親戚にあっさり連絡がつけられるのは矛盾している気も。
「親子」(★)は、公園の水辺で奇妙なモノが映りこむ。極端に薄いモノと濃いモノ、両極端の異形が現われるのが印象的。インパクトはそれなりにあるが、もはやありふれた映像になっている。ケータイで撮影されたものだが、肉眼ではどう見えていたのだろうか?
「ゴンドラ」(★)は、ロープウェイに乗っているときに撮影された映像。本作も異形のモノの姿が薄いのが気になる。
「街撮り」(★)は、外国人である投稿者が街を歩きながら撮影していると、不可解な人物が現われる。撮影者が前進するのとおなじ速度・方向に異界のモノが横に移動していくのは不自然。つまり、いかにも合成っぽい。
「上空」(★)は、飛行機の荷物入れに不可思議なモノがいることに気づく。モノの造形は不気味だが、典型的な〈出現域制御〉の問題がある。過去作(パート11「曰くの物件」)に似ていて、「あれとおなじパターンか」と思ってしまうので、恐怖が半減してしまう(過去作を知らなければ楽しめるだろう)。
「シリーズ監視カメラ 鳥居」(★)は、神社に設置された監視カメラがとらえた映像。その異様さに注目したいところだが、やはり〈出現域制御〉の問題がある。
「証明写真」(★★)は、証明写真を撮るボックスで遭遇した怪異。これも面白い現象だが、異形の造形がいかにも作りものっぽい(電動式の人形のようにも思える)。
細かいことだが、投稿映像が撮影されたのが、スタッフがインタビューをする3日前というのは少し不自然では?(郵便が届いてすぐにアポをとったということだろうか)。
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